新映画云々雑感

鑑賞した映画を中心に、幅広くテレビドラマ、演劇、小説などの感想を書いていきます。同時に2013年以降、ずっと応援している「のんさん(本名 能年玲奈さん)」のことについても書いていくつもりです。(旧ヤプログからの引っ越し組です。)

こんな時代だからこそ、カウリスマキ監督の優しい眼差しが心に沁みる・・・。
世界で一番しあわせな食堂
STORY(YAHOO映画より)
  
フィンランド北部の田舎に中国・上海からやってきた料理人のチェンとその息子。彼らは恩人を捜してフィンランドまで来たのだった。しかし恩人を知る者はなく、食堂を営むシルカはチェンがそこで働くことと引き換えに恩人探しに協力することを約束。人々は見慣れない料理に戸惑うが、口にしてみるとそのおいしさを認め、食堂は評判に。常連客とも仲良くなっていくチェンだったが、帰国の日が刻一刻と迫ってくる。


感想
 フィンランドのミカ・カウリスマキ監督の新作。
 カウリスマキは、コーエン兄弟やダルデンヌ兄弟、タビアーニ兄弟などと同様カウリスマキ兄弟と呼ばれることが多いため、私は兄弟2人で1つの作品を監督していると思っていたのだが、どうやらそうではないらしく、兄ミカと弟のアキは別々に作品を撮っているようである。ただ、兄弟ともに映画監督なので、敬意を表してカウリスマキ兄弟と呼ばれているのだろう。尤も「エイリアン」を撮ったリドリー・スコットと「トップ・ガン」を撮ったトニー・スコットも実の兄弟なのだが、彼らがスコット兄弟と呼ばれているのは聞いたことがない。その差がどこから来るのかは、私にも皆目見当の付かないところである。
 さて、ミカとアキのカウリスマキ兄弟のうち、その作品が高く評価され、日本でも人気があるのは、弟のアキの方である。改めて振り返ってみると、私が観たことのある作品も
アキ・カウリスマキの監督作ばかりだった。その中には、強い感銘を受けた「浮き雲」なども入っているのだが、彼の作品は、フィンランドの市井の人々の人生を皮肉の混じった惚けたユーモアで描きながら、その眼差しが一貫して温かいところに特徴がある。そして、そういうテイストの作品ばかりなので、観客は、人生に微かな希望を抱きながら、何とも表現し難い柔らかな心持ちで席を立つことができるのである。
世界で一番しあわせな食堂②
 今回の映画は、残念ながら兄ミカの監督作で、私は彼の作品を初めて観たのだが、やはりどことなく
弟アキの作風に似ているように感じた。妻であり、母である女を亡くした中国人父子が恩人を探してフィンランドの片田舎を訪ね、そこで偶然立ち寄った食堂の厨房に居着き、シェフとして働くようになるという話だったが、終始一貫してあまり大きな波風を立てず、優しい眼差しで登場人物や彼らの住む街を見つめていた。弟のように物語にシニックな味付けをすることはなく、基本善人しか出てこない話だったので、深みという点では今一つで、観た人の中には「甘すぎる」と感じる人もいるような気がするが、少なくとも私は、その甘さを好感を持って受け止めることができた。それは、その甘さがただ甘ったるいと感じさせるだけの軟なものではなく、何より今の時世、すなわち格差が際限なく広がり、人々の分断が進み、ヘイト=憎しみが至るところに横溢している現在において、それが多少現実離れしたものであっても、貴く眩しいもののように思えたからである。
 映画の中では、本格的な中華料理が何品も映し出され、それを口にした住民は次第に中国人シェフとの距離を縮めていく。確かに、たとえ贅沢なものでなくても美味しい食べ物には、食べた人間を幸せな気持ちにする力があるし、満ち足りた心は周りの人への優しさに転化していくものである。また、食べ物以上にそれを介して触れ合うことのできる人間関係そのものが何より大切なのだということも、散りばめられた笑いの中から浮かび上がってきた。そうした人が生きていく上で最も大事なことを、難しくも押しつけがましくもなく、観客が自然な形で気付けるように作られていたため、この作品に好感を持つことができたのだと思う。
世界で一番しあわせな食堂③
 ただ、私は中華料理よりも和食の方が断然好きなので、出てくる料理、そしてメインキャストが和食、日本人だったらさらに親しみを持つことができたのにと思ったりもした。尤ももしそうなっていたら、こんなに客観的に映画を楽しむことはできなかったかもしれないが・・・。

 令和3年5月3(月) 東映シネマ 83点

🌟 のんちゃんに関する小さな部屋(NHKに手紙を書くことについて①) 

 前回のブログに書いたとおり、私は のんちゃんが女優としての軸足を舞台の方に置くのも悪くないと考えています。舞台で経験を積めば、必然的に演技力が向上するし、演技力さえ付けば女優として長く活躍できる可能性が広がるからです。ただ、それは同時に多くの女優が目指しているテレビドラマへの出演は二の次でいいということに繋がりかねません。確かに視聴率に一喜一憂する民放の下らないドラマへの出演によって疲弊するよりも、小さくても優れた映画、優れた舞台に少しでも多く出演してくれる方が個人的には嬉しいのですが、その一方で「ではテレビドラマへの出演は全く考えなくても良いのか」と問われたら、「必ずしもそうではない」と答えざるを得ないとも思っています。何故なら、まず何と言っても のんちゃんは朝ドラ「あまちゃん」でブレイクした人なので、もしも質の高いドラマに出演できるのであれば、それに越したことはないとの思いがあるからです。また、現実問題として、ネットがテレビに取って代わろうとしている現在でも、まだまだテレビの影響力は無視できないということがあります。確かに昔に比べればテレビを観る時間は減りました。しかし、それでも家族で食事をする時は大概テレビを点けているし、そうなれば好むと好まざるとに関わらずCMなどが目に飛び込んできてしまいます。だから芸能人は、テレビに出演するだけで日本全国津々浦々の人に自分の存在をアピールすることができるのです。そこがネットと異なるテレビの強みで、ネットが自らの意思でアクセスすることによって初めて情報に到達するものであるに対して、テレビは点けているだけで勝手に情報の方から飛び込んでくるのです。そのため未だにテレビに出演すること=メジャーという考えが業界では幅を利かせているのです。また、何より怖いのは、それが舞台や映画などの仕事の方にも影響してくることです。今の観客は保守的なので、テレビなどで見知った役者(知名度のある役者)が出演する舞台や映画の方が動員の面でアドバンテージを取りやすいのは間違いありません。反対に知名度が薄れるに従って舞台や映画への出演が難しくなってくるのではないかと危惧しています。また、特に映画については、テレビで番宣できないことが のんちゃん起用の大きな妨げになっているのではないかとも心配しています。
あさイチ①
 だから、たとえ舞台や映画を女優としての主戦場にするのだとしても、だからと言って簡単にテレビドラマへの出演を諦めるわけにはいかないのです。
 しかし、残念ながら皆さんご承知のとおり、レプロからの
独立以降のんちゃんはテレビドラマに全く出演することができていません。これは偏に旧所属事務所であるレプロエンタテイメントからの圧力によるものだと考えて、まず間違いないでしょう。レプロは、独立当初こそは、直接テレビなどに出演させないよう圧力をかけていたようですが、今はそんなことをしなくても、テレビ局の方で勝手に忖度し、最初から のんちゃんを起用の対象から外しているのだと思います。これは、レプロが大手芸能事務所だからと言うよりも(レプロ自体は、新垣結衣さんくらいしかメジャーなタレントがいませんし)、レプロを含むバーニングなどの勢力の力、特にそのチンピラ体質をテレビ局が極度に恐れているからなのではないかと思っています。どこの会社も同じだと思いますが、何かと言うとごねて来るやから系を相手に毅然とした態度で接するのは難しく、どうしても事なかれ主義的な対応になってしまうものです。そこに風穴を開けることはとても難しいのですが、それでも何とかしてチャレンジしなければならないと考えています。

 そこで唯一考えられる突破口がNHKです。なぜなら、NHKが 今まで のんちゃんを全くドラマに起用しなかったことは、誰が観てもとても奇異なことに思えるからです。(続く)

※ 赤ポチさんは、私が以前ヤプログでブログを始めた頃(映画「ホットロード」公開の少し

 前)からの のん友で、一貫してのんちゃん(旧芸名は本名の能年玲奈さん)のことを真摯に応援
 してくれている誠実な方です。
こちらが
ヤプログ閉鎖後の赤ポチさんのしいブログドンキ
 です。
のんちゃんのファンの方は是非訪問してみて下さい。
  

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